「カッチョマンがやってきた!」の訳の吉上先生の翻訳作品でしたので、期待して読みました。
語りかけるような優しい文体。
まるで、パパに話してもらっているよう。
確かに私たちのご先祖は、海から陸へあがってやって来ました。
でも、こんなことは考えたこともなかった。
こんな賢い魚がいたのかも、って考えると夢があり楽しくなります。
と同時に、良くぞ『陸にあがりたい!』と考えてくれたと感謝したくなります。
絵本ならではのこの賢い魚の魅力に笑ってしまいました。
歌って踊れて、絵は上手く詩も作れちゃう、っていうところでフハハハです。
色とりどりで、さまざまな特徴をもった周囲の魚たちも個性的で、みんな違うってことが素敵に見える。
そして、説得力のあるラスト前の見開き。
圧巻です。
わかり易いのひとこと。
学術的に捉えずに、軽い気持ちで入り込める作品です。
小さいお子さんも、理解できるかと思います。
何千万年もの時の流れ、生物の進化のいとなみが、心のなかにふわーっと大きく広がる・・・
という、カバー折り返しの文章そのままの秀作でした。