【あらすじ】
マンションのガラス戸の前で、弱ったすずめをみつけたようちゃんとお母さんは、家で元気になるまで「入院」させることにしました。エサをあげたり、公園の葉っぱなどを敷いてあげたりして、様子を見ていると、すずめは少しずつ元気を取り戻していきます。しかし、外で暮らす鳥は家では飼えません。元気になって欲しいと思う気持と、いつまでも家にいて欲しいと思う気持ちの間で、すずちゃんは揺れ動きますが…
【感想】
子どもの頃、ペットを飼ったことがあるので、このお話は心にしみました。
動物とは、遅かれ早かれ、別れがきます。この子は、とても素直な気持で、すずめに接していて、まるで家族のように受け入れて話しかけていました。素敵な感性を持った子だと思いました。
しかし、すずめの立場に立って、本当に幸せになるのは、どっちなのだろうか?
自分と一緒に鳥かごで暮らすのか、たくさんの友達と一緒に外で暮らすのか。
小さな子が、葛藤で心が引き裂かれてもだえ苦しむ場面は、読んでいて苦しい箇所でした。
この子は最終的に、外で暮らすことが幸せだと悟り、鳥かごからすずめを出してあげる選択ができました。やっぱり、すずめも外の方がいいようで、さっさと飛び去ってしまった場面は、切ない。けど、これでこの子も、一つ大人になっていったなあ…と思いました。
先が予想できる話でしたが、やっぱり泣かされちゃった!という感動を楽しめます。
命や、自然や、外の動物たちの生活など、普段はあまり考えないので、時々こういう話を読むと、心が洗われるようです。
真面目な話なのですが、絵や文章がかわいいので、入りやすいと思います。
こういう感覚は大事ですね。