お母さんが病気で入院しているために、クリスマスの飾り付けもお料理も何の準備もしていないお家に住む猫とねずみ達が、それをリカバーするお話しです。クリスマスイブだけは、猫とねずみも仲良くする日なのだそうです。ミンスパイというものはじめて知りました。猫の采配でねずみはもちろん、蜘蛛が飾りを手伝い、しかもやって来たサンタクロースにねずみと蜘蛛の働きをまず猫は伝えました。翌朝起きて来たこの家の住人達はプレゼントを喜んでいる様子はわかりますが、猫とねずみと蜘蛛には最高のクリスマスであったことでしょう。
猫とねずみという関係から私にはうっすらと『怖い』ベールが全体にかかっています。でもそれがこのお話しをシャープな清々しさにしていると感じました。
作者はイギリスの方だそうです。育った地方のクリスマスの様子もわかり、シャープな清々しさではありますが、暖かさも感じられる絵本だと思いました。
【事務局注:このレビューは、「クリスマスのちいさなおくりもの」こどものとも 2006年12月号 に寄せられたものです。】