作/ジェーン・モデシット、絵/ロビン・スパウォートご夫妻による1988年のアメリカの作品。
ジェーン・モデシットさんは栄養学者というだけあって、そのスープの食材に技ありという感じがしました。
物語は、うさぎの夫婦が引っ越してくるシーンから始まります。
ところが、昼食に食しようと思ったニンジンがないことが判明、ご近所さんに分けて貰おうとご挨拶の開始です。
リスからタンポポの葉、カケスからパセリ、カエルからトマト、ハリネズミからキャベツと頂けるのですが、肝心のニンジンは貰えなかったので、二人はガッカリ。
いつも、
「〇〇なんか、たべたことないからなあ。
いままで たべたことがないものを ひるごはんにするなんて きがすすまないよ」
という同じフレーズの繰り返しが、実に良い感じです。
二人は気を取り直して、スープを作るのですが、これが最高に美味しいスープになったものだから、ご近所もお誘いするという展開になります。
野菜を巡る会話のやり取りが楽しい作品です。
動物によって、好きな野菜は異なるのですから、微妙な差異が出るのは仕方のないところで、そこを上手く会話に取り入れています。
色の濃淡のつけ方が独特な絵は、多用した暖色系と相まって、実に柔らかい作風に仕上がっていて、見る者の心を暖めてくれること間違いないでしょう。
最後にスープのレシピもあり、食育にも役立つ作品だと思います。