今夜はなぜか眠れない少年が、眠るためにいろいろな取り組みをする絵本。
1994年刊行。子どもの不眠を扱った、珍しい作品。
突然眠れなくなることや、夜中の変な時間に目が覚めて、眠れなくなることがあるので、非常に親近感を感じた。
それにしても、眠るために定番の「羊を数える」の応用で、よりによって眠りには全く逆効果と思われるものばかり選んでしまうのが、おかしい。あえて挑戦をしているようにも見える。
私は持病があるので、一時期、漢方薬を処方する先生とご縁があったが、その時に
「冷えが原因の病気の人は、冷えるようなことを好み、冷えるような飲食をしている。冷えるような習慣ができている」
というお話を聞いた。この絵本の少年は、眠れない(病気ではないと思うけど)のに、眠れないものを無意識に選んでしまう。
共通点がある。類は友を呼ぶのだ。
病気や健康の絵本ではないけど、個人的には非常に思い当たるフシがあって、興味深かった。
最近は、眠れない時は無理に寝ようとせず、静かに本を読んだり、静かにできることをやっている。子どもの頃は、眠れなくなると怖かったけど、大人になると対処方法がいろいろある。人生は、どんどん面白くなっていく。