まず、タイトルのユニークさに惹かれました。
そして、表紙絵のターバンを巻いたおじいさんが、ロバにまたがっている絵を見て、イスラム教圏のおはなしだなと興味を持ち書店で立ち読みをしました。
ある あつい あつい日のことです。
太陽をたっぷり浴びた、みずみずしいオレンジが ひとつ、枝から ポトンと落ちました。
オレンジにとまっていた 一羽の青いチョウが、ふわりと 飛び立ちました。
「そんなの、ちっとも たいへんじゃないよ!」と、皆さんは うかもしれません。
ところが まだまだ つづきがあるのです。
この一見開き目で、ここから何かが起こるのだなと、ワクワクしながら先を読みました。
青いチョウは、ネズミの鼻に、ネズミのくしゃみがロバを驚かせ、・・・。
ホント、“まだまだつづき”がありました。
オレンジポトンで、こんな大騒ぎになるなんて、あっという間にお子さんも惹きつけられるお話です。
この事件の終結の愉快さも、これまでに読んだ経験の無いもので新鮮でした。
フェズをかぶったネズミもラクダたちも可愛らしく、落ち着いた色調の中、イスラム教圏の人々の生活の細部を知ることのできる描写も素敵です。
フェズが描かれているところを見ると、19世紀から20世紀初頭にかけてオスマン帝国とその周辺地域でのお話という時代設定でしょうね。
絵本を通し、異文化に触れる良い機会だと思い、購入しました。
次年度、低中学年のお話会で、読みたいと思います。