『はるかな湖』で東洋的な感覚の絵本を出したアレン・セイ。
気になる作家でしたが、この絵本でセイのルーツを発見しました。
戦前に日本で生まれ、アメリカに渡ったおじいさん。
アメリカと日本を行き来した中で、生まれたお母さん。
セイも横浜で生まれ、16年間を日本で過ごしたそうです。
それだけに、日本への思いが強いのでしょうか。
それにしても、極めて個人的な内容の本でありながら、とても素晴らしい本です。
絵本ではなく、絵画本、肖像画本とでもいった趣の絵から構成された、おじいさんの歴史。
そして、今の自分につながる話は、手記のようであり、日本の移民史であり、近代史としての日米関係であり…。
幅も奥も深いのです。
まずは、大人として読みたい絵本です。