図書館で、表紙に惹かれて手に取りました。
借りられる本の冊数がギリギリだったのですが、この生活の1コマ1コマをスナップ写真にして並べたような絵に惹きつけられてしまい、先に手にしていた本を戻して、この本を借りてきました。
日本とアメリカ、二つの国で暮らし、二つの国で幸せを築き、二つの国を愛したおじいさんのお話です。
出来事や感じたことを淡々と述べているのですが、その一つ一つを飾る絵がとても美しく、確かにここには生活があったと感じられます。
アメリカに行ったことがなくても、きれいな風景の故郷を持っていなくても、“郷愁”という気持ちは、誰もが共通に持っているものではないでしょうか。
この本は、その“郷愁”の念を強く揺さぶる絵本です。
説明文にある、
ぼくたちは何処にいようと、ほかの何処かが恋しい、
誰といようと、ほかの誰かが恋しい。
という一文が、深く心に刺さりました。