”おべんとう”とタイトルにあるだけで、私はこの本に飛びつきました。表紙は弁当包みになっていたので、本をめくる時のドキドキ感は、弁当の包みを開ける時の“わくわく”した気持ちと同じでした。最初の女の子がお弁当を開くときの顔が私は一番好きです。お弁当に期待する気持を実に如実にあらわしているからです。そーっとふたを開ける時は緊張する気持、早く見たいという焦燥感、どうか自分の好きな物が入っていますようにと祈りの気持、など全てが混ざっていると思います。そんな気持ちをこの1ページだけで実にうまく表現していると感動しました。”パパはこれ嫌いだけど私は好き”という女の子。子供には本当にウソをつけません。よく観察されてます。パパが嫌いで食べないけれど私は食べられる!という自分自身への誇りの気持も感じられました。女の子のお母さんは素晴らしいです。女の子の好きな物も、嫌いな物も両方入れる。そして納豆サンドイッチ。私は拍手を送りたくなりました。弁当におしゃれにしかも何気なく入れられるとは大物だと思います。”やられたー!”という感じです。娘はページをじーっと見ていました。私はこの女の子のお母さんに会って”あなたの弁当は素晴らしい。私も見習います。”と伝えたくなりました。旦那に毎日お弁当を作っているので参考になりました。娘は娘の視点から、私は私の立場から楽しめる絵本たと思いました。