昔話は本当は語り継がれてきたものだと思います。ですが現在昔話を語れる親はいるのでしょうか。少なくとも私は語れません。ですので、松谷さんのこの本はとても有り難いです。昔話は好きだし、いいものだと思う。でも、子どもに語れない。葛藤でした。昔話は必ずと言ってよいほど教訓があります。そしてこの教訓が分かりやすいのがいいです。たろうは心優しいのでネズミにむすびを分けてあげる。分けてもらったネズミはたろうに恩を返すためやまんじいから身を守る。そして太郎を無事に送り届ける。正義と悪がとても分かりやすいし、“人には優しくしなくてはいけないなあ”というのが簡単に感じられる。そして、スリルも迫力も申し分ない。私は昔話が好きだからかもしれませんが、お勧めの絵本です。