からだが よわくても、ちえが おくれていても、
どんな 子どもでも、みんな おなじ人間。
うつくしい 心をもった人間や。
そして、ぼくの
ともだちや。
だから、ぼく
わるくちをいう ともだちを、
「かわいそうやなあ。」と おもっているんや。
これは、『止揚学園』という知的障害者の施設で、重度の知的障害をもつ子どもと一緒に生活をしている義人君が、作った詩です。義人君が通っている小学校の子どもたちからは、何かとバカにされるのですが、施設の子どもたちの持つ優しさをかみしめながら生活している様子が伝わってきます。
この絵本は、『止揚学園』の子どもたちたちが描いた絵に、義人君の視点から、お話をつけて出来上がったものです。義人君の発したことばには、とても重みがあります。幼い頃から、このような環境で育っていて、何事にも替えがたいものを、義人君は学んでいるような気がしました。
また、教育に携わる者にとっては、障害者教育こそ、教育の基本だと学びました。学校教育でも家庭教育でも大切なことが、この絵本の中に、たくさん詰まっています。一度、教育の原点に戻るためにも、ぜひ、読んでほしいと思います。
そして、私は、義人君がどんな大人になったのか、ぜひ会ってみたいと思っています。