ほんわかした画風が素敵なふくざわゆみこさんの絵本です。
こどものとも年中版として発行されたあと、2008年にハードカバーとして復刊されています。(私はハードカバー版を読みました)
主人公は、モグラとセミの子(幼虫ですね)。
土の中で出合った2人はすぐに仲良しになり、一緒に地下で生活することに。出会って2年の月日が経った夏、セミの子は急に様子がおかしくなりました。さてはセミになっちゃう???
2人の地下での生活、とても楽しそうに描かれています。
土の中にある2にんの家(トンネル状になっています)や、周りの木や草花の根っこ、他の土中の生き物達。
普段は目に入らない土の中って、こうなっているのかしら。
2人で作る食べ物たちもとても美味しそうです。
大人である私は、セミは幼虫時代に土の中で7年過ごし土から出てセミになると7日間元気に鳴いてその命を終える・・・ということを知っています。
なので、この本のラストはそういうちょっと悲しい話になるのかな・・と、どきどきしながらページをめくりました。
でも。そうではありませんでした。
2人はそれぞれの道を歩き出すんだな、、、と思わせる素敵なラストシーンでした。
大人としては、この先モグラくんがショックを受ける出来事が予想できるだけに読後感は複雑でしたが、5歳の息子はそこまで考えてないようで、楽しく読めたようです。
幼虫が出てきますが、とても可愛く描かれているので、虫があまり得意ではないお子さんにもお勧めです。