たかどのほうこ作品に一家ではまっています。図書館で見つけたのがこのお話です。少年動物合唱団に選ばれた四匹の動物たち。クマ、キツネ、アナグマ、ハリネズミは、それぞれに学校の先生の悪口を言い合って親交を温めます。
ハリネズミは、とても良い先生なのに、みんなに合わせるために作り話をしてしまいます。おもしろいことが良いこと、まじめなことはいけないこと、という風潮があるように感じられるこの頃。子どもだけじゃなくても、大人も道化役を装って、場の雰囲気を保つために、間違った努力をしていることってありませんか?作り話をしてしまうほどのことでないにしても、場の雰囲気に合わせるために自分のことを誇張したことがあるかもと思いました。
練習の最終日、先生から「つつしみぶかい、うつくしい こころで うたうことが たいせつなのだ」と言われ自分の行為を深く恥じ入るハリネズミ。最近たかどのほうこの「記憶の小瓶」というエッセイ集を読みましたが、「偶然目の前に現れた誰かによって歪みが矯正され、解放されるということは、時折起こった」という言葉を思い出しました。
間違った方向に進んでいる子どもたち。子どもの良心が取り戻されてよかったと思いました。
世の中の風潮や雰囲気に流されずに、良い心を保ち続けたいし、子どもにもそのことを伝えたいと思いました。