コウくんが大事にしているどんぐり。
『ケーキ』と名付けられたそのどんぐりの目線で描かれていく絵本です。
コウくんは大切にしているどんぐりと、いつも一緒です。
どこかに飛ばしても、おしりに書かれた『ケーキ』という名前を見つけてすぐに探し当ててくれます。
でもそんな時、コウくんは森の中で木の実を拾っている最中に、知らず知らずのうちに『ケーキ』を落っことしてしまい…?
どこに行くにも一緒でどんぐりを大事に思っているコウくんと、大切にされていることをが嬉しくて、コウくんのことが大好きなどんぐり――異種族ではありますが、その間にははっきりと二人の絆が感じられました。
森で落っこちた『ケーキ』は見つからないまま、それでもコウくんのことを見守り続けます。
コウくんもどんぐりを忘れてしまったかのようにだんだん成長していきますが、本当は覚えていたんですね。
そのことがわかった時には、胸が熱くなりました。
ラストの『うれしいことです うれしいことです』という表現に、どんぐりのすべての気持ちが表現されていると思います。
子供にも大人にもさわやかな感動を与えてくれる絵本、おすすめです。