入園前の2歳の娘の日常が、そのまま描かれていて、読んでいてほのぼのします。
お買いものに行く様子が描かれていますが、行き帰りの道で、お母さんに抱っこされてポストにお手紙を入れたり、滑り台を滑って帰ったりする姿が加わることで、すごくリアルに感じられます。
車に気をつけなくてはね、と言いながらも、後ろからお母さんに捕まえられていたり、すべりだいは「あと三回滑ったらかえるのよ」なんて声かけも、帰宅してから買ったものを出してみるのも、まさに自分の日常そのものです。
また「かって かって」と言っても、大きなケーキは買ってもらえない、そんな「買ってもらえないもの」もあるのが良いなあ、と思います。
「おかあさんのけちんぼ」と泣いてしまったしろくまちゃんに、きっとお母さんが「さあ、滑り台すべって帰るよ!」と言ったんでしょうね。
あとがきによると、買えた喜びと買えないことに耐える心がテーマであり、買いものの意味を見てとらせたいものである、とあります。
2歳の子どもも、素直に共感できるお話なので、楽しみながらも何かが心に残っていってくれたらいいな、と思います。