絵のタッチを見て、「リサとガスパール」シリーズを思い浮かべた方も多いはず。
これは、ゲオルグ・ハレンスレーベンが、アン・グッドマンと知り合う前にコンビを組んでいたケイト・バンクスと組んだ作品なのです。
登場するのは、とらのぼうやとおかあさん。
おやすみの時間なのに、眠ろうとしないぼうやという、良くある光景で物語は始まります。
「目をつむったりしたら、空がみえなくなるモン」
とぼくが言うと、
「ううん、みえなくなるモン、どころか・・・」
「それどころか、空のね、雲のあいだにうかんでて
夜になったら、お月さまがだっこしてくださるかもよ」
とおかあさんは答えます。
その時の絵は、ぼくが三日月に寝そべっているものが描かれています。
そんなやり取りが、繰り返し続くのですが、その返し方が実に秀逸だと思います。
しかも、添えられている絵が、夢だとしても楽しくて仕方ないというシーンのオンパレードですから、子供にとって、たまらないはずです。
親としても、その問答の仕方は参考になるもので、親子ともども楽しめる作品です。
なかなか寝ないお子さんへの読み聞かせに、特にオススメです。