大人の人に受け入れられやすい絵本だと思います。
飼い主が亡くなった犬の視点で描かれている点が、これまでの絵本になかった、この絵本の特長です。
しかし、この絵本を手にした人が、誰の立場で読むのか、つまり犬の立場で読むのか、亡くなった飼い主の立場で読むのか、または第三者の視点で読むのかは、読み手に委ねられています。誰でも自分の置かれた状況に応じて、この絵本を読むことができます。
主人公の犬は、とても健気でかわいらしい。テキストなしでも絵だけで十分に内容が伝えられる表現力をもっていると思います。
私がひねくれているのかもしれませんが、この絵本を読み、涙を流すことが、単なる自己満足に終わらないことを願わずにはおれません。