色彩の魔術師・ワイルドスミスの本領発揮といった作品です。
【絵を読んでいく事】の大切さを改めて感じさせてくれます。
町や村は、家などは赤や緑・青などの濃淡で描かれ、
キラキラ輝くプリズムのような感じが素敵です。
森は同じ様な色を使っていても、落ち着いた印象で、
絵の全体がパッチワークみたいです。
自慢屋の太陽と、
どことなくおどけたような三日月のお月さまが、
対照的に描かれていてお話としても楽しめます。
「僕には見えないものはない。」と、自慢する太陽に対して、
「いいえ、あるは。あなたが一度も見たことがなくて、
私が毎晩見ているもの。」と、お月さま。
さて、それは?
最後のページでは、
「わたしが毎晩みてるもの」とお月さまとの対比が鮮やかで、
【絵を読んだ】という満足感に浸れます。