メキシコの作家さんが原作、ということで手に取りました。
ラテンアメリカ文学を少し学んだことがあるのですが、
物語に多彩な寓話が込められていて、奥が深いのです。
この作品も、原作はかなり重厚のようですが、
アメリカの児童文学作家さん方が軽快に絵本に翻案していているようですね。
海水浴中に一抱えの波と仲良くなった「ぼく」は、波と一緒に暮らすことにするのです。
波の造形は波そのもの。
不思議な光景が繰り広げられます。
波には感情があり、原作で濃厚に表現されていた女性を感じさせてくれているようです。
手に負えなくなった波の顛末は少し切ないですが、
「ぼく」は次の友だちを妄想するところが唖然ですね。
豪快な発想が印象的です。
夏の季節に、小学校高学年以上くらいからでしょうか。