堀内誠一さんの初の絵本作品で、1967年初版。
古風な絵だけに、滋味深いオーラを感じさせます。
再話ということで、原典を調べてみると、
フランスのフレネ学校の共同創作を原作、とあります。
その製作過程も興味深いです。
さて、そのストーリーはクリスマスの頃のものです。
黒馬ブランキーは横暴な主人にこき使われ、とうとう道に倒れていたのです。
ちょうどクリスマスの晩、ということもあり、サンタクロースに助けられ、
サンタクロースのそりをひくようになるのです。
素朴な筆致が、クリスマスストーリーの荘厳さを引き立てているような気がします。
ブランキーの境遇はとても悲惨なのですが、不思議に淡々とストーリーが進み、
今の安らかな日々に昇華していく、とても静かなトーンの作品でした。
ラストの、暖炉の火の暖かさや、静かな音まで伝わってくるようでした。
五感を研ぎ澄ませて読んでほしいです。