はっぴぃさんは、困ったことや、願い事をきいてくれるそうです。山の上の大きな石の上に、時々来るそうです。
のんびりやさんの「ぼく」と、せかせかしている「わたし」は、それぞれ願いを叶えてもらうために、山へ登ります。そして、待つのですが、はっぴぃさんは、はたしてやって来たのでしょうか。
絵の細かいところまで、よーく見ると、山のふもとには、無数の戦車があり、戦争していることがわかります。山のてっぺんで、二人がたくさん願い事をした中には、きっと戦争がなくなりますようにという願いもあったことでしょう。作者が、この絵本を描いた中に、「ハッピィ」=「平和」という強い願いが見え隠れしているように感じます。
はたして、はっぴぃさんの正体とは,一体何なのでしょうか。表紙の鳩か、太陽、かたつむり、うさぎ、リス、雨雲,石?本当は、いないのか。それとも、みんなはっぴさんなのか。読む人それぞれ、捉え方が違うところが、いいと思います。読み聞かせの後に、みんなの意見を聞いてみたくなる、そんな素敵な絵本です。