てんぐざるさんの感想を読んで、グリムの『幸福なハンス』と同じような話かな?と興味が湧いたので、図書館で借りてみました。
読んでみると、ハンスよりこびとくんの方がずっと幸せでした。
確かにこびとくんには不運な出来事が次々と起こります。しかもその半分は四葉のクローバーを持っていたために起こった不幸です。でもね、四葉のクローバーを見つけたってことだけで、もうこびとくんの幸せメーターは満杯になってしまったのではないかしら。だからきっとそれだけで、こびとくんには充分幸せな一日だったのですよ。
このこびとくんは、心から幸せな気分になっていたと思いますが、人は、もっと大きな不運に遭わなくてラッキーだったと考えることによって、自分に降りかかった不運を乗り越えようとすることがあります。
半年ほど前、自転車に乗った娘が横断歩道で車に当て逃げされた(でも無傷でした)時、私も「もう少し早く走っていたら完全に轢かれてたよ。運が良かった。」と言って、この嫌な体験を乗り切ろうとしたことがあります。そんなことを思い出して、ちょっと苦い気分にもなってしまいました。