6年生への読み聞かせの5回目は,
ずっと読みたくて温めていた 2冊の絵本を持っていきました。
この「あのとき すきになったよ」と長谷川集平さんの「はせがわくん きらいや」。
2冊とも友達への思いやりの気持ちについて
深く考えさせられる内容です。
そして偶然ですが,題が対照的な「好き」と「きらい」という言葉。
これをセットにして読むと,子供たちは
どんな反応を返してくれるのか?
期待半分・不安半分で持って行きました。
飯野和好さんの描く子どもの表情はすごいです。
はっきり言って,可愛くないです(←失礼)
でも,見れば見るほど,
「あぁ こんな表情した子どもって いるよね…」と思えてきます。
たとえば,おこったような顔を いつもしてる しっこさんの顔,
怒りを爆発させるときの ゆいこちゃんの顔…
可愛くないけど,なぜか目が離せません(←重ね重ね 失礼)
聞き手の子供たちは,
「しっこのしっこたれ!ぶたぶたのぶう!・・・」
のところでニヤニヤ。
読み手がはりきって,外にも届くほどの声でやったものだから,
朝の眠気も吹っ飛んじゃったようです。
話が進んで,ゆいこちゃんがおしっこをもらしてしまう場面。
「くつしたが ぬれてく うわばきが ぬれてく・・・」
声を落として,読んでいると
「ア〜ァ」と真ん中あたりの席の女の子が,
ため息をつきました。
・・・気持ち,わかるよね。
まりかちゃんの行動の意味は,
さすが6年生。
みんなわかってくれたようです。
「まりかちゃんは わるくない」のところで
子供たちの真剣な目が,頷いています。
最後のページを閉じた時,
教室の空気は,しみじみと二人の女の子の気持ちを
味わうように,しっとりとしていました。
余韻を残すように,ゆっくりと表紙をもう一度見せ
「あのとき すきに なったよ」
可愛くないと思っていた二人の女の子が
すごく,可愛く見えてきました。
女の子同士の友情と思いやりの物語に続けて
男の子のちょっと乱暴で,だけど深々と暖かい思いやりの,
「はせがわくん きらいや」を読みました。