日本の三大祭りと言われる天神祭が1冊の絵本になりました。菅原道真を祭る天神さんを大阪の言葉でしっとりと語っています。大阪以外の子どもたちには難しいとは思いますが長さんの壮大なスケールの挿絵に圧倒されます。北海道では地域に根付いたお祭りは少ないのでこんなにも愛する天満さんのことをわかるのは大人でも難しいのですが、ひとつの文化がわかりやすく語られてることに、ファンタジーの要素が手に取りやすくなっています。難しく考えることなく、美しい言葉と挿絵の世界に飛び込んでみてください。もっと若い頃、修学旅行へ行く前に読んでおきたかったですね。高校生や中学生に自分の地域の文化やルーツをたどるきっかけになると思います。外へではなく自分の内側に耳を澄ますための素晴らしい作品です。