言わずと知れた「ひろすけ童話」の代表作品の1つ。
1993年初版の大人の絵本 日本の童話名作選シリーズの一冊で、但し書に原作全文を載せていますとありました。
元の作品は、1965年12月に偕成社から出版されたもので、おそらく、私自身はこの作品を読んでいたのだと思います。
また、この作品は、学校教科書にも採用されています。
物語は、山の崖下に住んでいる赤鬼が、外見だけでなく、内面までもが、普通の鬼とは違っているという描写で始まります。
心優しい赤鬼は、人間と友達になりたのに、鬼というだけで人間は近寄ってこないのです。
そんな悩みを聞いた青鬼は、赤鬼の為に一芝居打つのです。
そのお陰で、赤鬼は人間と友達になれたのですが、青鬼が赤鬼のことを思って姿を消してしまうという余りにも有名なお話です。
このテイストは、何処か宮西達也さんの作品にも相通じるものがある気がしました。
相手を思いやる気持ちに、誰もが心打たれるお話です。
こうした話は、やはり世代を超えて読み続けていきたいもの。
泣いた赤鬼は、知る限りあと5作品はありますが、原文を掲載している本作品は正統派と呼べるものです。
ただ、如何せん文章が長いので、読み聞かせに難しいと思います。
小学生が、自ら読んで考えて貰う類の絵本として、オススメします。