うさぎを食べようと追いかけるきつねと、必死に逃げてきたうさぎ。
一本の丸太橋に二匹が飛び乗ったところから、お話は始まります。
何日も降り続いた雨のせいで丸太橋は崩れ、二匹はシーソー状態になった橋の上に取り残されることに。
お話は終始スリル満点でした。
眼下には水かさが増して急流となった川が流れ、丸太橋に取り残された二匹はまさに運命共同体。
少しでも動けば橋のバランスが崩れて、今にも落っこちそう。
あっ、危ない!!
そんなハラハラ感がたまりませんでした。
目の前に美味しそうなごはんがいるのに手が届かない、どうにかして食べたい、でも死にたくない…そんなきつねの葛藤には、申し訳ないけど笑ってしまいました。
切り絵を貼ったようなきつねとうさぎの絵も、場面によってコロコロと表情が変わりすごくかわいかったです。
丸太橋が傾くたび、お話の文章まで傾いて書かれているところがユニークでした。
その後きつねとうさぎがどうやって丸太橋から逃れられたかは、読んでみてからのお楽しみ。
でも、同じ危機を共に乗り越えた二匹の中に、はじめとは違う感情が芽生えるのも当然ですよね。
「ともだちや」シリーズのオオカミさんとキツネくんを思い出しました。