赤ちゃんとぬいぐるみの動物たちがスープを飲みます。「いただきまーす」。動物たちが次々とスープをこぼし、赤ちゃんが拭いてあげます。「きゅっきゅっきゅっ」。赤ちゃんの口のまわりはスープでいっぱい。今度はママが拭いてあげます。「きゅっきゅっきゅっ」。「ごちそうさま」。
赤ちゃんって、大人の真似をよくします。うちの娘はすぐ下に弟がいたこともあり、1歳半頃から特定の人形を赤ちゃん代わりにして、私が息子に施すこととまったく同じことをその人形にしてあげていました。抱っこ、ミルク、着替え、食事・・・ まだまだ小さかったけれど、人形にとって娘はお姉さんであり、お母さんでありました。何だかそんなことを思い出させる作品でした。
林明子さんの描写は本当に的確で、いつもながらに驚かされます。表情や仕草や態度など、自分たちの子供をみているようですよ。