物語の大半が、ステラとその弟サムの台詞で進んでいきます。
「みえなくなるれんしゅう」だなんて、今から魔法使いの物語が展開するのかと思えば…。
ステラとサムの周りには、空があって、風があって、森があって、川があって…。ただただ自然が広がっているだけなのですが、それがファンタジーになるのは、ステラとサムが、小さな子どもならではの感性でそれを見ているからなのです。こんなみずみずしい感性で世界を見ることができるのって、何歳ぐらいまでだったんだろう??と、もう、その年頃を卒業しかけている娘たちを見ながら思いました。
娘が5歳の時に読みましたが、少し経って読んだときの方が、ステラの子どもらしい発想の面白さをわかってくれたような気がします。
繊細な言葉の選び方は、江國香織さんならでは!です。