ページが変わるたびに挿絵の車椅子の向きや形が
次々と変わっていきます。
時には折りたたまれていたり、布にくるまれていたり・・・。
車椅子の姿は作者の心を表しているのでしょう、
「人のようさんいてるとこ嫌いや」というシーンでは車椅子は横倒し。作者の語りかける言葉が、胸に突き刺さり、
無機質な車椅子がまるで人間のように思えてきます。
心が空虚な気分を表す時には、車椅子は濃淡のない、
ただの細い線で形だけを描いたもので表現されていたり、
挿絵を描かれた松下さんは、友人として作者の車いすを
押し続けて来た画家さんだそうで、2人の心の叫びが
この作品のなかでの表現を単調ですが、素直な気持ちを
そのままぶつける作品に仕上がったのでしょうね。
是非、子どもたちにも心の中でしっかりと感じて欲しい1冊です。