日本での初版は1963年ですが、原作はそれよりもさらに15年も前の1948年に書かれていたんですね! 物語の面白さはもちろんのこと、挿絵も現代アートのように斬新で、瑞々しい感性に溢れ、とても60年以上昔に書かれた本であるとは思えません。
娘は、まず見返しの地図を見て、「あっ、この遊び、幼稚園のときに、男の子たちがよくやってたよ。」と教えてくれたので、「エルマーのぼうけんすごろく」のことだな、とすぐにわかりました。
読み始めると、あっという間にエルマーといっしょに「どうぶつ島」に紛れ込み、そこからは、ドキドキ、ハラハラの大冒険! 毎晩、1章ずつに分けて読むつもりが、「もっと、もっと!」と、いつまでたっても区切りがつかず、結局2日間で読み終えてしまいました。
終盤に入ると、声を上げての大騒ぎになり、トラやライオン、ゴリラにワニの登場で、そのたびに、今度こそ絶体絶命の大ピンチ!とばかりに、エルマーと一心同体化して、冒険を続けていました。
そして、いよいよ、りゅうを見つけ、救い出そうとする場面・・・ワニの背中の上で、じたばた、きゃあきゃあしながら流されていく動物たちの滑稽な姿を、りゅうに乗ったエルマーと共に、空高くから見下ろしながら、笑っているようでした。
娘のお気に入りは、なんと言っても、たてがみの三つ編みにリボンを結んだライオンの顔! 表紙にもなっているこの顔が、とにかく気に入ってしまって、「かわいい、かわいい!」と、まるで猫でも見るような視線で、目を細めていました。