主人公のモデルとなった、岐阜大教授・近藤 真庸(まさのぶ)先生ご自身が
講演会で朗読して下さった絵本。
近藤先生の兄・近藤浩章さんが絵本の題材を考えていた時に
弟である近藤先生が、幼少期に父親を病気で亡くし
つらい思いや悔しい思いを多く経験し、
なかなか友達が出来なかった思い出を話したそうだ。
その話を題材に 兄・近藤浩章さんが話の骨格を作り、
田中章義さんが文章を書き、
とりごえまりさんが絵を担当された本が、この本。
「力えるくん」の“か”の字だけカタカナのように見えるけど、
実はこれは 漢字の「ちから」なのだそうです。
力+える(得る)
と解釈して、友達や周囲の人間関係を通して
ちからを得るという意味が含まれているのだそうです。
カえるくんは、
人気者で 自分が持っていないものを沢山持っている
トノサマガエルくんが羨ましくて仕方ありません。
そんなカえるくんが ひょんなことから、
落とし物の携帯電話を届ける旅に出ることになります。
その先々で いろんなことに出会うことで、
宝物(自分の良さ)に気付くというお話です。
自分に自信を失いかけた時、
自分の心の中に信頼できる他人がどれだけ住んでいるか、
これで自信回復の早さが変わってくるのだそうです。
…と言うと難しく聞こえてしまいますが、
自分が困難な状況にある時、
「この人に相談したらいいかな」
と思える人が何人もいることって素晴らしいですよね。
実際には相談しなくても、
いざという時には相談させてもらおう、と思えるだけで
心にちからが湧いてくる気がします。
「力えるくんのたからもの」には
お話の始まりと終わりに小さな秘密が隠されているそうです。
実際に絵本を手にして、探してみてくださいね〜っ♪