「もしもしおかあさん」のお話が大好きなので、同じ久保 喬さんのこの絵本は、一度読んでみたいと思っていました。
まず、駒宮録郎さんの絵が、とってもステキです。
表紙もそうですが、「かしのきホテル」の曲線や枝ぶりがとっても気に入りました。
また、せみの羽もとってもきれい。
「かしのきホテル」はステキなホテルです。
来る者は拒まず、去るものは追わずという姿勢の、とても温かい老木です。
悪口を言って、新しいホテルに移っていった虫や鳥をもまた、温かく迎えてくれました。
見てくれや、風評にとらわれてしまうことの愚かさ、本質を見抜くことの大切さを痛感させられる絵本です。
また、「いつもそこにいてくれる」温かく大きな存在というものがある幸せを感じました。
「かしのきホテル」は、虫や鳥たちにとって、帰るべき「家」だったんですね。
でも、「かしのきホテル」を正当化するために、「もみじ」や「かばのき」などの冬に葉の落ちてしまう木を”ダメな木”のように描かれているようで、その点は、気になりました。