民話ですね。
民話には大概教訓が含まれています。
毎日せっせと働いて、それでも大した稼ぎになならない男が、残った花を川(竜宮)に流していたことで、ある日乙姫さまから「はなたれこぞうさま」をもらいます。
「はなたれこぞうさま」は、とても汚かったけれど、鼻をかむたびに願いをかなえてくれるすごい神様でした。
あっという間に大金持ちになった男は、大切なことを見失い、「はなたれこぞうさま」に家を出ているように言ってしまいます。そして…。
起承転結がしっかりしていて、読んでいるうちにラストがわかってしまいますが、だからこそ安心して読めるというのも、昔話や民話の良いところかもしれません。
イラストを担当されている太田大八さんは、多くの民話や昔話の「絵」を担当されています。
人物もとても素敵に描いてくださっていますが、私が好きなのは、太田さんの描かれる世界の風景です。
この絵本でいえば、風や川の色、家の壁の色などが、なんとも言えない味を見せてくれています。興味のある方はぜひ手にしてみてください。