作者の心に溢れている感動、生命への感謝、偉大なパノラマへの驚きと憧れのすべてが伝わってくる素晴らしい絵本だと思います。むしろ大人が読むべき。しかし、ある程度大きくなってきた子供に読んであげるのもまた楽しいかもしれません。巻末には知識絵本としてのコラムがしっかり載っていて、年長から大人まで利用できる内容になっているのもいいですね。これを読んで初めて本文の意味が理解できることもあります。たとえば「あのこがくるというニュースを、きたのくにのトナカイがアジサシにおしえて、アジサシはクジラに、クジラはサケに、サケはチョウに、チョウは海がめに、海がめはウナギに、ウナギは小鳥に教えた」という内容の本文があるのですが、ここにでてくる動物や昆虫はすべて「旅をする・渡る」種類のものなのですね!!だから世界中に「あのこがくるニュースが伝わった」と解けるのです。いい本ですね。