魔法使いの娘は、何に不自由なく育てられたかのように思えました
しかし、名前もなく「むすめ」と呼び
他の人間との関わりもなかったので、自分の美しさを比較する物がなかったのですね。
まほうつかいは、父親であるのですが 自分の老いを感じ 永遠の若さをてにいれたいと思い、魔法の本を読みふけるのです。(魔法使いでさえこんな事を感じるのですかね?)
娘が話しかけるのも 煩わしくなり、話しかけられるのも嫌うのです
そこで 娘に本を与えます。
娘はいろんな知識を知りるなかで 自分が今までに考えもしなかったいろいろな疑問を感じるのです
「名前を教えてほしい」と言うのです。
知識を得たことで 自分のルーツを知りたい 母親のことを知りたいと思うのです
この変化は実に見事に描かれています。 人が成長すると言うことはこういう事だと思いました
魔法使いも自分の生と死の事で頭がいっぱいで、娘の質問に答えるのですが、真実は言わないのです。 娘は小鳥になり厳しさに立ち向かいます。
その結果 娘は本当の母親と兄と出会うことが出来ました
貧しい暮らしの母親や兄と出会いますが、今まで知らなかった愛・自由を得ることが出来たのです
失った物も有りましたが 大きな物を得たのですね
何が幸せかを考えるお話でした
エロール・ル・カインの絵は東洋と西洋が混ざり合った見事な美しい絵です(絵画展の絵のようです。見応えがありました)
後書きを読み 作者がなぜこの話を書いたかが分かるような気がしました