まほうつかいのむすめ、というタイトルを聞くと、贅沢三昧にわがままに育った娘かな?と思ったのですが、それとは正反対で、このむすめは名前すら与えてもらえずただ「むすめ」と呼ばれ、何不自由なくしてもらえたものの自由と愛は与えてもらえず、豪華な城の中で孤独だったんですね。とうとう、父との知恵くらべに勝ったむすめは自分の知力と体力をふりしぼって母を捜しあてるという、かなりドラマチックなお話でした。作者は、ベトナムから養女を迎えるにあたってその子のためにこのお話を書いたということですが、その作者の気持ちを汲み取りながらもう一度読んでみるのもいいものだなあと思っています。