今日は、パパとママの結婚記念日。特別な日に、特別な1冊を、とママが選んだのがこの絵本でした。
私も、作者の斉藤さんと同じで、物に対する執着心があまりなく、片っ端から処分したくなる性格ですが、子どもの物だけは、服でも、おもちゃでも、絵や手紙でも、なかなか捨てられません。子どもが、毎日のように庭で拾ってきてくれる小石でさえも、大事にとっておきたくなっていまします。子どもの心を思えば、なおさら・・・。「ああ、あのとき、こんなことを言いながら、くれたんだったなぁ。」なんて、いろいろ思い出して。
我が家も、ちょうど今、引越しの前なので、余計にこの絵本の中のお母さんと子どもの気持ちがじんじんと伝わってくるようです。子どもが生まれて、たった数年の間に、どれだけの宝物が増えたことでしょう!この本を読みながら、そんなことに今更ながら気づかされました。
お母さんが箱から出してくれた、赤ちゃんのときのくつを、つまさきだけちょこんと入れてはいてみるけんちゃん。娘も、即座に、「ねえ、ママ、Jが赤ちゃんのときにはいたお靴も、とってある?」と聞くので、娘のお人形さん用の引き出しから、白い布の靴を出してくると、「ええっ!プープー(プーさんのぬいぐるみ)の靴を、Jが履いてたの〜?」と、驚いていました!!「小さくなっちゃったから、プープーにあげたのよ」と言うと、けんちゃんのように、爪先だけ入れて、「ちっちゃ〜い!」と、笑っている娘が、なんともいとおしく感じられました。
これからも、子どもの思い出の品々だけでなく、子どもと過ごす一瞬一瞬を、そして、子どもの心そのものを大事にしてあげたいな、と思います。
娘も、この絵本を読むときは、ちょっぴり甘えん坊の顔になって、肩にそっともたれかかってきたりしますが、2つだけ、どうも好きではない箇所があるようです。1つめは、お母さんが、けんちゃんのおもちゃ箱の石を捨てようとする場面・・・「どうして?」と何度読んでも納得がいかない娘。私がいつも娘が拾ってきてくれる小石を、大袈裟なくらいに(!)喜んで、「ずっと大切にするからね」と、受けて取っているためか、「このお母さんは、石が好きじゃないの?」と、けんちゃん以上に真剣な顔で怒っているのです!
もう1つは、「けんちゃんも、もうすぐ大人の歯が生えてくるのね」というセリフ。娘は、まだ歯が生え変わることも知らないために驚いた、ということもありますが、普段から「大人にはなりたくない。ずっと子どものままがいい」と言っている娘にとって、「けんちゃんは、大人になっちゃうの? Jは、大人になりたくないから、大人の歯が生えてくるのはいやだ!」と、必ずこのページで、泣きそうな顔になって訴えるのでした!
絵も、パステル調のやさしい色使いで、とても温かい気持ちになれます。初めてのくつを履いてよちよち歩きをしているけんちゃんも、小さくなったくつをつま先にかぶせて笑っているけんちゃんも、それぞれの年齢のかわいらしさが表れていて、いくつになってもこどもはかわいいものなんだなあ、と思わせてくれます。