マローンおばさんは森のそばでひとり寂しく暮らしています。誰一人マローンおばさんの様子を訪ねる人はなく、心にかける人もいません。でも、マローンおばさんは心の大きな持ち主です。月曜日から順に訪ねてくるみすぼらしい動物たちに「あんたの居場所くらいここにはあるよ」と話しかけ、心休まる場所を与えてあげるのです。そして、土曜日の夜……。
英国人児童文学作家・詩人エリナー・ファージョンの詩です。英語で読んでも、日本語で読んでも、最後は涙声になり、子どもの前ではまだまともに読めていない状態が続いています。この美しい詩に出会えたことに心から感謝。後半はキリスト教的ですが、そこに描かれた主題は宗教を越え、普遍的です。黒のペン画がまた詩にぴったり。床で眠るマローンおばさんは動物たちと同じ高さにいますよね、それが忘れられません。冬が来たら開きたい、わたしにとって大切な一冊です。