私が幼い頃楽しく読んだ本で、
図書館で見つけ娘にと借りてきました。
いつもはねぼすけのスーザが今日は早起き。
羊の世話で稼いだお金を持って市場へ行き、
さまざまな商品に目移りしながらウィンドーショッピングを楽しんでいる様子ですが、
実はとある目的の物を探していて……というストーリーです。
昔読んだ時には思いもよらなかったような
数々の背景に今になって気づき、しみじみと胸が痛くなりました。
幼いスーザが一生懸命働いて稼いだ全財産は、
赤い椅子が買うのに足りないどころか、
布とペンキを買っただけで無くなってしまうこと。
誰もが清貧に暮らしている国の話ということはなく、
街には高価そうな服を着た少女もいるということ。
スーザの両親の描写のないこと。
今になってようやく、椅子を見た時のおばさんの驚きと喜びが
どれほど深いものか理解できた気がしました。
と、親の私はすっかり満足してしまったのですが、
2歳の娘の反応は、ある意味興味深いものでした。
一度読んであげた後、せかすようにもう一度、もう一度と二度もねだり、
それ以降は「スーザ読もうか」と水をむけても「ヤダ……」と見向きもしないのです。
せっかく甘いオレンジや、素敵な宝石やピンクの靴が出てくるのに、
何度読んでも、それが一つも手に入らないなんて……。
と、悲しくなってしまったのかもしれません。
この絵本は決して、楽しいばかりのファンタジーではないのだと、
幼いながらに気付いているのかな? と多少親バカ気味に考えることにしました。
娘の成長を待って、ぜひもう一度読ませたい本です。