私が5歳の頃、お芋ほりの絵を描いたときのこと。
みんなとは違う自分だけの作品を作りたい気持ちで
ワクワクしたのを覚えています。
お芋の色付けに青や緑、黄色や赤を使って、
いろんな色のお芋を描き
『みんなとは違う自分だけの絵ができた!』
と、満足感でいっぱいになっていると
先生に「何やってるの!!」
「お芋を全部丸く囲んで紫色に塗りつぶしなさい!」と怒鳴られてしまいました。
私は『いけないことをしてしまったんだ』
悲しい気持ちになり涙がポロポロ出てきました。
泣きながら、青や緑、黄色や赤に塗られた
私だけのお芋たちを、紫色に塗りつぶしました。
今でも、あのときの気持ちは忘れられません。
表現は自由であっていい。
あなたの描きたいように描いていい。
描いたものはどれもあなたの作品。
あの時、先生が私にそう教えてくれれば私は絵を描くのが大好きな子供だったに違いない。
ピーター・レイノルズが描くこの物語は、
全ての大人たちに、
?子供の可能性は無限大。
?子供を尊重する気持ちは忘れてはいけない。
それを伝えたいのではないか。
子供に、それを教えてあげてるのは
大人の役目なんだ。と、何度読み返しても
そんな気持ちになってなりません。
◯絵本の感想◯
絵が描けないだけ!と
怒っているようなワシテの表情が
夢中になって”てん”描いていく様は見事で
苦手と思い込んでいたものに夢中になれるって最強!
と、気づかせてくれました。
ラストシーンの、展覧会を見に来た男の子に対する
ワシテの振る舞いには、大拍手を送りたい。
すごく粋で、大好きです。
そして、大好き!と言いたいのは
絵画教室の先生。
ワシテを尊重する気持ちと行動が
幼少時、私には出会えなかった先生と重なり
羨ましくもあり、私はこのワシテの恩師のような
存在でありたい。そう強く思わせてくれるのでした。