私の愛読書に、中山庸子さんの「『とりあえず』の魔法」があります。
この絵本を読んで、中山さんの このエッセイを思い出しました。
いきなりスゴイことを成し遂げるのは無理だけど、自分にも出来ることはある。
それならまずは自分に出来ることから第一歩を踏み出してみよう、という内容です。
一歩一歩が積み重なって、いつしか実績を積んでいることに気付くのです。
ワシテの先生は、そのことを知っていたんですね。
そして温かい視点や、先生にしては型外れな一面も持ち合わせていた。
ワシテの描いた点にサインを書かせて 作品として仕上げ、
また それを立派な額に入れて飾ってくれたことは、ワシテにとって
認めてもらえた嬉しさと自信につながったことでしょう。
人は誰かに何かを認めてもらえて喜びを感じた時、そのことに面白みを覚え
探究心も芽生えて、飛躍的に実力を伸ばすことが出来ます。
私も娘たちのことをもっと褒めなくては、とちょっと反省しました。
学校の美術展で「定規を使っても真っ直ぐに線をひくことが出来ない」という男の子に
自分が先生にしてもらったのと同じ指導方法で教えようとする姿勢には
自信や凛々しさすら窺え、魅力的だと思いました。
娘たちはワシテが絵を描くのかと思ったら、描いたのが「点」だった上に
先生に褒められていたので、その意外性が単純に面白かったようです。
ストーリー構成もきちんと成立していて、内容的にも本当に素敵な作品だと思います♪