貧乏夫婦の家での節分エピソード。
豆が無いので声だけの豆まき(エア豆まき?)をしていたところ、
「おにはうち ふくはそと」と言い違えたから、さあ大変。
鬼がやってきてしまうのですね。
豆まきの中を困っていたとばかりに、泊めてほしいと言う鬼たち。
慌てて米も無い言い訳(本当のことですが)すると、
鬼のふんどしを差し出し、これと引き換えに米を、ということになった次第です。
鬼のふんどしは希少価値とばかりに、たくさんの米を手に入れた貧乏夫婦。
鬼のふんどしのとらえ方が面白いですね。
でも、その代わりは???
実は物語でも絵でもそのあたりは最後まで描かれていないんです。
「こっそりいえをでていった」という表現が気になります。
ラストは素敵な幕切れです。
それも、貧乏夫婦の誠実な人柄ゆえでしょうね。
鬼たちの、意外に善良な一面も垣間見えます。
そんなあたりも伝わってきて、実に爽やかな読後感でした。