何気なく読み始めて、途中で前半で起こったことの恐ろしさに気づき、身震いしてしまいました。
でも、怖いだけの話ではなく、怖さを乗り越えて余りある面白さがあります。
しっぺいたろうの正体を探り当てていくところも興味津々ですし、正体がわかった時も、どんな活躍をするのかとわくわくしました。
絵を担当している赤坂三好さんは、私が小学生の頃大好きだった『ピン・ポン・パンがやってきた』のさし絵が印象的で、ちょっととぼけた味の絵を描く人と思っていたのですが、この本では、とても力強い絵を描いています。
化け物は怪しくいやらしいですし、しっぺいたろうはりんとして逞しい上に気高くて、禍々しいものを消し去る力に満ちているようです。
それほど長くないお話ですが、たっぷりと楽しめる昔話です。