1996年のアメリカの作品ですが、何の事はない、あの「ちびくろサンボ」の新刊です。
「ちびくろサンポ」と言えば、赤い表紙の1953年初版の岩波書店版が懐かしいと思う人が多いはず。
あのトラが回転してバターになってしまうシーンは、40年以上経過した今でも目に焼き付いています。
それが、黒人差別の問題となり、日本では1988年以降、絶版になったのですが、この名作のどこが黒人差別なのか分からず、当時、不思議に思った記憶があります。
それが、大好きなフレッド・マルチェリーノの絵により、発刊されたのはとても嬉しいことです。
彼は、1991年の「ブーツをはいた猫」で、コールデコット賞を受賞しており、その絵の美しさは定評のあるところ。
ただ、残念なのは、絵本の版が小さいと言うこと。
やはり、フレッド・マルチェリーノの絵は、大判でこそ、その精緻が絵が楽しめるからです。
綺麗な絵ではあるのですが、一寸物足りない感は否めませんでした。
とは言え、文章の面白さは勿論、絵との相性も良く、高い水準の絵本に仕上がっています。
岩波書店版を読んだ時の衝撃的なインパクトはないものの、オススメの絵本です。
また、岩波書店版は、是非読んでみたいと思っています。