我が家にも娘が生まれるずっと前から飼っている犬がいます。娘は、自分の弟だと思っていますが、本当はもうおじいちゃん。娘が年々成長していくにつれ、犬は日に日に年を取っています。「その日」はそんなに遠からぬうちにやってくるんだろうなぁ、と思うと、どうしたらいいのかわからなくなるくらい悲しい気持ちでいっぱいになります。
なので、この絵本を読むのも、現実に向かい合うようで、とてもこわく、娘にも読んであげる勇気がなかなか出ませんでした。でも、教科書に載っていることを知り、それなら、まず娘と2人だけで、じっくりと読みたいと思い、クローゼットの未読の本の中から出してきました。
娘は、すでに教科書のお話を1人で読んでいたようで、本をめくる前に、「最後に死んじゃうだよ」と、教えてくれました。そして、その場面が来ると、「どうして夜の間に死んじゃったの?」と聞くので、
「年をとったんだね・・・」と答えると、「年をとると、眠ってる間に死んじゃうの?」と、不思議そうに尋ねました。
こうやって、大好きな飼い主の傍らで、そっと静かに最期を迎えられるのは、何よりもしあわせなことなのかもしれません。「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」という言葉を胸に、安心して眠りについたんでしょうね。
我が家の犬にも、私たち家族といっしょにいられて本当にしあわせだった、と思ってもらえるように、これからもずっと精一杯の愛情を注いであげたいな、と思っています。