クマの男の子が、毎週金曜日に大好きなおじいちゃんの所へ遊びに行っていました。そこで、いろいろなことを教えてもらいました。おじいちゃんが、子供だった頃の話や、この世に生れてきたということは、素晴らしいことなのだということ。だから、今日も、明日も、宝物みたいに大切にしなければいけないのだということ・・・。すごく、素敵なことを言うおじいちゃんに、私まで、感動してしまいます。いいおじいちゃんです。
このお話で、何よりうらやましく思ったのが、二人がいつも木の上の家に登って過ごした穏やかな時間です。本当に絵を見ているだけ、二人が幸せだったことがよくわかります。
しかし、時がたち、元気だったおじいちゃんも、だんだん体の具合が悪くなって、とうとう話をしてあげることさえできなくなってしまいます。そこで、今度は、男の子が、今までおじいちゃんが自分にしてくれたように、語りかけるのです。
「おじいちゃん、面白かった?」
でも、答えは、ありませんでした。もう、涙ボロボロです。バックに調度、カノンを聴いていたので、なおさらでした・・・。でも、答えは、わかります。面白かったし、何よりもうれしかったし、最後の時に、最愛の孫に傍にいてもらえて最高に幸せだったことでしょう。
最後に、お母さんと男の子が、二人で思い出の木の上の家で会話するのですが、
「ぼく、としをとったら、ぼくのおじいちゃんみたいな おじいちゃんになるんだ。」
と言う言葉が、なおさら胸にぐっときてしまいました。
そして、本当にそうなるのです。
ハンカチと、それからティッシュを用意してから読むことをお奨めします。