中学生くらいの男の子に
「天動説について調べてるんですけれど」
と言われて、案内したのがこの本です。
「えー…絵本?」
という顔をされましたが、返しに来た時に、
「とてもよくわかりました! ありがとうございます!」
と、にこにこ顔であいさつされました。
どのあたりがよかった? と聞くと、
「解説とあとがきにある『今日の私たちが、私たちにとっての真理を手に入れるために、天動説の時代はどうしても必要だったのです』っていうところに感動した!」
と、目を輝かせていました。
あらためて読んでみると、今の私たちの常識が、昔は非常識であったことに驚かされます。
そして、昔の人たちは、やはりその時代なりの真理でもって、天動説を支持していたということを学ぶことができます。
地球が丸くて太陽の周りをまわっていることは、今では周知の事実です。けれども、その考えに至るまでには幾多の犠牲があったこと。周知の事実ではなかった、むしろ、異端とされた考え方であったことを、今一度、考える良いきっかけになる本だと思います。