主人公は、タイトルどおり《おうち》です。
窓が目でドアが鼻、玄関ポーチがにこにこしている口のようにも見えるかわいらしい小さな家。
なにもない田舎の丘の上に建っていたこの家、長い長い時間がたつうちに、周りの環境が激変してしまうのです・・・。
読み終えたときに、なんともいえない気持ちになります。
慌しくて空気も汚れて騒がしい都会と、まさに対照的な田舎。
良かったね、という気持ちと、実際には誰もがそういうふうに都会を脱出できるわけではない現実を考えると・・・複雑です。
この本の初版は1954年だそうです。
その当時に、この作者はもう現在の環境悪化を見据えたようなテーマの絵本を描いている事実にも驚きます。
深い内容のお話ですが、子どもにもなにか感じるところがあるようです。お勧めの1冊です。