主人公の「ぼく」は よく泣く。
転んで泣いて、ぶつけて泣いて、ケンカして泣いて、叱られて泣く。
辛いときや悔しい時だけではなくて、
嬉しかったり久し振りに会えた時でも泣けてしまう。
泣くのって不思議だな。カラスが鳴くのも、鳴いてるのかな。
赤ちゃんはすぐ泣く。泣くのが仕事なんだって。
そう言えば、お父さんが泣いたのを見たことがない。
大人はなんで泣かないんだろう?
どうして僕は泣くんだろう? 一日に一回は泣いている。
僕も大人になったら 泣かなくなるんだろうか?
子供の頃の私は、何を隠そう…泣き虫でした。
主人公と同じく、「なんで私はすぐに泣けちゃうんだろう?」と
よく 子供ながらに思っていました。
泣き虫の自分が弱く思えて とても嫌で、早く大人になりたいなあ…、
泣かない自分になりたいなあ…と思っていた記憶があります。
この「ないた」を読んで、私だけじゃなくて、
他にも同じように考えていた人がいたのだと少し嬉しくなりました。
もしかして、みんな同じことを考えていたのかな。
歳をとると涙もろくなる、って聞いたことあるけど、私もまたそうなるのかな?
人生を重ねるにつれて大切な家族や友人との永遠の別れを経験したりして
若い時には考えもしなかった、健康の有り難みや生きていることの素晴らしさを
それまで以上に感じて、ついつい涙が出てしまうのだろう。
この「ないた」は、今年度(2005年度)の全国課題図書の1冊に指定されました。
この夏、多くの小学生の親子に読まれることでしょう。
皆さんがどんな感想を書かれるのか、興味あるところです。