「ティラノサウルス」のシリーズ、どれを読んでも最後は涙になってしまいます。これまでに読んだお話は、親子の愛がテーマになっていましたが、今回は、友情。
両親の愛を一身に受けて育ったプテラノドンの子が巣立ちのときを迎えました。そこへ現れたのが、目をギラギラさせたティラノサウルス。おとうさんから教わった「あばれんぼうのおそろしいやつ」です。ティラノサウルスの手があと一歩でプテララドンの巣に届こうという瞬間、突然の火山噴火で事態は一変します。
そして、切ない、切ないエンディング・・・。
お互いに気持ちを伝えられないまま別れ行く2人。ティラノサウルスの目に浮かんだ大粒の涙を見ながら、娘の目にも見る見るうちに涙があふれました。
相手の目を見て「ありがとう」と言えるのは、本当にしあわせなことなんですね。伝えたくても伝えられない相手がいる・・・もう一生伝えることは叶わないかもしれない・・・たった1度でいい、たった一言でいい、「ありがとう」って伝えたい・・・そんな思いを心の底に抱いて生きている人がたくさんいると思います。
その気持ちを、ティラノサウルスが星空に向かって伝えてくれます。